007の映画「スカイフォール」で見てからずっと行ってみたかった軍艦島。長崎恐竜博物館の近くなのだが、その付近からでる観光船は満席でとれなくて、長崎市内から出る大きな船で行くことにした。どうせならと奮発して一番高いシートを予約。そうすると、船先に出れたりするのだ。利用したのは軍艦島コンシェルジュのツアー。
訪問日:2023/5/20
前日、長崎恐竜博物館近くの軍艦島資料館で予習。
すごい人口密集というのは知っていたけど、立坑とは知らなかった。随分深くまで縦穴を掘って、それから横へ行く。島から入るけど実質海の底を掘っているわけだ。資料館の中に模式図があったのだが、館内は撮影禁止だった。




前日、波止場を下見した。常磐ターミナルからジュピター号に乗るはずだ。
翌日、なんとクイーン・エリザベス号が隣りにいた。



ツアーの集合は場所は「軍艦島デジタルミュージアム」。ここを1時間ほど自由見学する。ガンショーくんというゆるキャラがいる。端島という岩礁にコンクリートの帽子を被せたようなやつだ。そもそも軍艦島は岩礁を拡張して防波堤とかつけて、その上にビルを建てているのだった。




VRゴーグルで軍艦島内をドローン撮影した映像を見るコーナーがあり、中の様子が楽しめた。上陸といっても実際に入れるのは外縁だけなので、これはありがたかった。360度映像で、ドローンの影も見えた(^^;
他にもビデオがたくさんあり、全部は見きれなかった。
建物のダメージを研究している人のビデオがあって、興味深かった。
- 建物の外側や下の階が劣化する。塩分のせい
- 鉄筋の腐食を止めるのに、ペンキのほか電気防食という手段がある。どれが有効か実験している
- 基礎が露出して危なかった小学校の建物は、調査して基礎部分を補強した(埋めた)
廃墟感を保ったまま保存すべく、建築物などの研究者がいろいろ調査していた。昭和49年(1974年)に退去、50年しか建っていないのにこれほどボロボロになるのはなぜだろうと思ったら、塩のせいみたいだ。台風とかくると水しぶきがすごいことになる。で、海水を被る下の階のダメージが進むらしい。
船に乗り込んで長崎湾を南下する。



長崎湾には船に関わる施設がたくさんある。造船もそうだけど船を修理する設備とか、あちこちにクレーンが見える。橋が高いところにかかっている。これも大きな船が通れるようにするためだそうだ。





軍艦島へ向かう途中に高島がある。ここにも炭鉱があって、高島で開発された技術が端島(軍艦島)に応用されたと聞いた。高島はまだ人がいるみたいだ。炭鉱はもう閉鎖しているが、海水浴リゾート地になっているそうだ。


軍艦島が見えてきた。右の島は中の島は無人島で、軍艦島の人たちのお墓はこちらに作ったとのことだ。



しばし、海上をぐるぐるして軍艦島を鑑賞する。なんかすごい。とりあえず写真をとりまくる。
他の船もきている。その向こうに見えるのは三ツ瀬のはず。あの恐竜の出る三ツ瀬層の名前の由来の岩礁なんじゃないかと思う。







他の観光船も来ていて、船着き場に着く順番待ちをしたりする。
いよいよ上陸、水の色が思ったよりキレイ。
船着き場側は立坑や掘った石炭を処理する施設があった側。「ここは◯◯の跡」といろいろ説明きいたけどほとんど忘れてしまった。






観光客は柵で囲われた中だけ移動できる。
レンガは普通の赤レンガと、石炭を精製するときの廃棄物を利用した黒いレンガがあるそうだ。
廃墟というと、植物に覆われているイメージがあるが、思ったより草木が少ない。潮がかかるからだろうか。











上陸時間は40分くらい。
あとで漏れ聞いたところによると、昨日は上陸できなかったそうだ。野母崎から見た海は穏やかそうだったのに。上陸できるのは六割くらいだとか。ということはかなりラッキーだったってことかも。
帰りの船の中では、車内販売のカステラアイスを食べた。おいしかった。
帰途も船関係設備とか海上保安庁の船とか眺めていた。ドライドックは、浦賀で見学したが、船がドックに入っているところを見るのは初めてだった。港ではクイーン・エリザベス号が引き続き停泊中だった。






デジタルミュージアムや資料館で予習していたので、ガイドさんの説明もよくわかってなかなか楽しかったし、勉強になった。また長崎湾が「船の産業」中心であることを思い知った。造船しなくてもメンテナンスは欠かせないよね。今後どうなっていくのかな。