2024/2/25 オトナの社会科見学として、神田川・環状七号線地下調節池と首都圏外郭放水路を見学してきた。地下に水をためて洪水を防ぐ施設だ。東京駅からのバスツアーで行ってきた。
首都圏外郭放水路のほうは”防災地下神殿”とかいって、メディアによくでてくるやつ。ずっと行ってみたかったのだ。
環状七号線地下の調整池は知らなかったけど、近年、わりとさかんに見学会をやっているようだ。
集合場所の駐車場までの道中、八重洲側を歩いたのだが、なんかビルがすごくて、威圧されてしまった。そしてちょっと迷子になった、スマホのGoogle Map見てたのに。
首都高をバスで行くのだが、沿道の景色がなかなかおもしろかった。運転しているとキョロキョロできないからねぇ。中心部は千鳥ヶ淵とか大きな木々の中のホテルとか、なんかゴージャス。代々木にはエンパイアステートビルみたいな建物があったり。
環状七号線地下調整池
神田川・環状七号線調整池は東京都建設局管轄。公園協会水辺事業に属する職員さんが説明してくれた。職員さんはいつもは保守の仕事などをしているそうだ。
3本の川を結んで、環七の地下のトンネルに水を貯め、水がひいたら汲み出すという仕組みだそうだ。着工して25年かかったそうだ。このおかげで下流の洪水がめっきり減ったというか、ほとんどなくなったそうだ。
まず、会議室で解説DVDを見て、制御室や模型を見学。
- 妙正寺川、善福寺川、神田川を結んでいる
- 一定水位を越えると取水口から水が入る仕組みになっている
- 取水ゲートなどのコントロールは善福寺川取水施設で集中コントロールする
- 水を地下に取り込むドロップシャフトは、水が渦巻いて落ちる工夫がされている
- 川の水位が戻ったらがドロップシャフトの横のポンプで川へ排出する
ドロップシャフトの「渦」の効果をペットボトルを使って実演してくれた。なるほど、渦ありにしたほうが、水が速く落ちるし、振動や音も小さい。模型は実際に水が流れてどんなかんじかわかる仕組みになっていた。
そして、階段を220段降りてトンネルへ。踊り場の所々に、どのくらい下ったかの説明ポスターがはってあった。
本管までの連絡管に入るところは、潜水艦の扉みたいで厚く防水耐圧になっていた。扉を抜けてすぐのところのにドロップシャフト(水が落ちてくる)と、落ちた水の勢いを吸収する池があった。
連絡管は150mくらい。途中、地元の小学生が絵を書いたブロックをはめたエリアとかあった。
壁に「ヒ」とかいてあるのは「ヒビ」の意味で、点検しては補修を繰り返しているそうだ。
本管は直径12.5m。連絡管と交差するところは圧力がかかるので特に厚くなっているとのこと。東日本大震災のとき、トンネル内で働いていた人は地震に気づかなかったというくらい頑強な造りになっているらしい。
トンネルは、高圧洗浄やバキュームで泥や礫など流れ込んだものを掃除するそうだ。お掃除車両は神田川の施設からリフトで下ろすといっていた。今は11月にお掃除した状態だそうで、泥も水も全然なかった。
年に数回稼働しているらしい。
戻るときに、なにやら音楽が聞こえるなーと思ったら、イルミネーションランプとスピーカーでの演出だった。
階段上りは流石に足腰にキタ。
このあとは東北道で埼玉方面へ。めん房 朝日屋で藤うどんとネギトロ丼のランチを食べた。このあたり、団体客のランチはここしかないみたい。他のツアーでもここで昼食となっていた。
うどんの色はすごかったけど、味は別に。色は紫芋でつけているらしい。
首都圏外郭放水路
首都圏外郭放水路は国土交通省管轄。こちらは着工して15年くらいかかったそうだ。説明は、ガイドが仕事と思われるおねいさまがたがしてくれた。
見学開始時間までの間に説明パネルとか、紹介映像とか見たのだが、紹介映像が「龍」をテーマにした、なんかこう、演出過剰で中身が薄いやつだった。子供向けか?
こちらは立坑が5つあって、それぞれに川が流れ込んで、それを地下のトンネルで繋いでいるそうだ。調圧水槽は、流れてきた水の勢いを弱めてを江戸川に流すためのものだそうだ。
”防災地下神殿”=調圧水槽への入口は、管理棟の外、第1立坑の近くだった。階段を116段降りる。
水位の印の上側は汲み出しポンプを動かう目安、下側は汲み出しポンプを止める目安だそうだ。
地下神殿、思ってたほど高さがなかった。高さ18mだそうだ。年に7回くらい稼働しているらしい。
ここもたまった汚泥はブルトーザーなどを使って掃除するそうだ。天井に車両を下ろす扉があった。見学者が入るところは人手で掃除しているらしい。ひー、ご苦労さまです!
「外郭放水路AR」というアプリがあって、水が貯まる様子がみれるというのでやってみた。ただ水が増えていく画像が重畳されるだけだけど。
あとで調べたら、我々のコース以外にも、もっとディープな見学コースがあるらしい。
オトナの社会見学としては大変勉強になった。とにかく、インフラすげぇ。着工して15年とか25年とか、計画段階をいれたら軽く一世代越えてしまうような長期のプロジェクトで、しかもそのあと何年も運用しなければならない。
こういった施策は、ころころ変わる政治家より、着実に仕事を引き継ぐ公務員がいかに重要かと。工事そのものは民間がやるのだろうけど、日本の公務員、侮ってはいけないなと思った。
環状七号線調整池の説明員の人は、どんどんSNSに流してくださいといっていた。文字通り縁の下の力持ち、普通に暮らしてたら知られないけど、消防士や警察官同様、我々の生活を守ってくれているわけだ。ありがたや。